『海と毒薬』
昨年の冬から積読になっていた本…
遠藤周作さんの『海と毒薬』。
この本を買ったきっかけは、好きなインフルエンサーさんが「遠藤周作さんの文章が好き!深い河が良かった」と言っていて、当時読書習慣をつけたかった自分は読んでみたくなった。
古本屋さんに本を売りに行った待ち時間で、『深い河』を探して見たけど見当たらなくて、でも遠藤周作さんの本が気になって、何冊かあった中からなんとなく『海と毒薬』を買って帰った。
とはいえ、実話を元にしたかなり重いテーマで、なかなか読む気にならず…今の今まで積読になってた。
3月の目標として、積読を片付けることを掲げていたのに、あっという間に時は流れて3月も終わろうとしてる…。笑
昨日ブログ記事を書いた後に気合いを入れて読み始めたら、止まらなくなるほど小説の中に引き込まれた。
もう、吐き気がするほど、鼓動がはやくなるほど、胸の奥がずーんと重たくなるのを感じるほど、眠れなくなるほど、その世界に引き込まれた。
まだ半分も読めていない時点であまりに鬱々とした気持ちになって、夜に読んだことを後悔するほど…。笑
そしてお風呂休憩をはさんだのち、夜中まで読み続けたけどまだ読み終えてはいない。
それでもものすごくいろんなことを考えさせられて、ぐるぐると自分の頭の中を掻き回されてるような感覚になってる。
自分の存在って、人の存在って、何なんだろう…と、得体の知れない不安というか不確実さというか、いろんな物事の善悪とか正誤とか今まで信じてきたものを揺るがされたような、なんとも言えない感情になる。
サイコパスっぽい登場人物の幼少期の話…
大人から見た良い子を演じる、
褒められるための文章を書く、
周囲から賞賛されるためだけにしていた行動を正当化するために、誰にも知られないように良い行いをしてみたときの虚しさ、
罪を犯したことへの罪悪感はなく、周囲にバレたり非難されることだけに感じる恐怖心、
罪がバレることなく罰せられることがなければ、安堵して罪の意識は薄れていく心……
程度の差はあれど、誰しもそういう面はあるのだろう。
自分のことも振り返って、自分のそういう面に恐ろしさを感じた。
いや、まだ6割ぐらいしか読めてないのだけど…。笑
ここまで積読にしてたけど、『海と毒薬』の続編らしい『悲しみの歌』も読みたくなってるし、遠藤周作さんの他の本も読みたくて調べまくってる。
今日は3月最終日。
仕事と買い物のあと、読み切れるかはわからないけど、ずっと読まねばと思っていたものをだいぶ読み進めることが出来て良かった。
それも今は「読まないといけない」じゃなく、「早く読みたい」になってる。
なんでもやり始めるまでは億劫で気乗りしなくて大変だけど、軽くでもやり始めてしまえば、トントンと進んでいくということを実感する。笑
あぁぁーー早く帰りたいな。